砂丘   小崎ひろ子

小崎詩20140315
榮猿丸推薦

砂丘   小崎ひろ子

太平洋側をあきらめたものかどうか
あぐねている最中に気がついたのだ。
砂丘で邸宅遊びをしながら
屛風を立てている子ども達がいることに。
 
トタン屋根がせんべい食べてとかいう
フレーズを思い出したりしながら
生きるためには
ここでやる気など持ってはいけないのだと
自らを説得しながら
まるで陳腐な映画のシナリオそのままのように
車を走らせようとしている。
 
みんなだって、出て行くのだろう?車ごと
地球の半分側に。
 
トタン屋根の邸宅など
とっとと置き去りにして。
 
短歌3首
 
ひたる間もなき幻想の合間もてなだるるうつつ桜舞ふなり
一つ得てひとつ失ふつらなりをたたへて水よ永遠(とわ)に濁るな
その水を必要とする都市さへも小さな小さな国のひとひら
 
俳句3句
 
立春の風よ人為のように受く
つちふるや違う粒子の身代わりに
花の冷え言わずに済ますこといくつ

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