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広野 佐峰存

広野_佐峰存

 
 

広野   佐峰 存

埃の光が宙に加速し
鳥となって空を囲っていく
一対の色を塗りたくった 眼の縁に
伸びているのは睫毛の帰路
育ち咲いた照明に匂う目鼻の微動
風が吹き出す 脊髄の夜から
すり抜けた卵から
手足が伸びて

泥濘から白くひらく三日月
脈拍の舌が描く螺旋
糸くずはのぼり
親指同士を捕えた手相は
やがて蒸発し 海に還元される
迷い込んだミトコンドリアの運動
                    硝子が落ちた
漆黒は柔らかく
沈むのは腕 乾くのは爪

そんなに引っ掻いては駄目だよ
光の中にあっても 永久機関はいつも暗い
棲みついた痒みが地熱に群がり
遠くで割れている
過呼吸 星が散らかって
垂らした素足が怪我をする

丘陵は冷えていて
広がる砂には人気がない
野生の表層を
素手で剥がしていくと
そこには真水がある
            目を閉じてください
頬の硬度と 腕の蝶番
地平水平に散る街の
屋根のざらつき 流れる指の腹から
点る彼方に 眠りつつ

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