鈴木しづ子さんに捧ぐ     鳥居

  • 投稿日:2013年09月13日
  • カテゴリー:短歌

鳥居短歌130912-1
鳥居短歌130912-2

鈴木しづ子さんに捧ぐ     鳥居

すると不思議なことに彼女の足は勝手に踊り続ける。
夜も昼も彼女は踊り続けなくてはならなかった。
彼女が看病しなかった為に老婦人は亡くなり、
またその葬儀にも出席できず、身も心も疲れ果てた。
呪いを免れるために首斬り役人に依頼して
両足首を切断してもらうことにした。
切り離された両足と赤い靴は彼女を置いて
踊りながら遠くへ去っていってしまった。
(アンデルセン「赤い靴」あらすじ)

履いたきり脱げなくなつたと笑ひけり踊り子たちの冷たい裸

ラベンダー遺品となりし枯野にて病みゆく母の怒鳴る声抱く

待ち受けの(旦那と子ども)を見やる人 緞帳(どんちょう)あがりポールに絡まる

姉さんは煙草を咥へ笑ひたくない時だつて笑へとふかす

ねつとりと膣口色に照らされて練習どほり ゆつくりと脱ぐ

学校で過労と診断されし夕 灯りの点かぬ家で本よむ

母の日の花屋は赤く染まりをりショーウインドウにふれる指先

踊りつつ太宰を浮かべ笑ふとき観客からの手拍子生まる

空しかない校舎の屋上ただよひて私の生きる意味はわからず

慰めに「勉強など」と人は言ふ その勉強がしたかつたのです

作者紹介

  • 鳥居(とりい)

小学校中退。 孤児院生活や ホームレスを経験。 
DVシェルター避難中に 短歌に出会う。

義務教育を受けられずに、困っている人たちがいる。という問題を世間に伝えるために セーラー服を着用している。

ブログ http://toriitorii.exblog.jp/20655550/

2012年、第41回全国短歌大会(現代歌人協会主催)佳作 穂村弘選
2013年、第3回路上文学賞(星野智幸選)大賞

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