第11回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門受賞連載第6回 川柳 海を唄う nes

第11回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門受賞連載第6回
川柳 海を唄う
nes

波打ち際のおみなどうしの双葉かな

ゆびさきが水平線であったころ

灯台の欠片を盗みだすギター

とまどいを海亀の背に乗せておく

水を焼くのはこわいからなの?

重ね合わせたスカートと砂浜と

手をつけて恋に変わってゆく栞

点線に沿って抱擁を切り取る

春風のアメーバになるこころいき

日溜まりはその海鳴りに洗われて

遠くなる青りんご だけど濡れている

屋上に名を呼びあって常緑樹

呼ぶことのくるしさ冬は越えるもの

くちびるが不可算名詞だったなら

そのあとは深海帯の頬になる

飛来する花をとどめておく輪廻

群像はドレスコードを背負わない

あなたへとあなたが絡みつく 渚

ウエディングドレスをともに着て船は

港とは名付けず風を愛しあう

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