ふくしまのうた 巻民代
すっぽんぽんでかわいそうなもの、3号機とあたし。
あたし日本人ね、吐いたら米ばっかり。
ねえ、あの坊主さっきからきくらげしか見てない。
まだ揺れてる、ほしいものいっぱいあるのに。
「いま?あたし?海老蔵が逃げた階段にいる」
走るの嫌なの歩くのはもっと嫌。
卵豆腐食べおわるまで、おいてかないで。
だいじょうぶ、昨日さんまさんもそう言ってた。
ママと出てくから遠距離になるわ、いいでしょ?
昨日いい言葉覚えたの、ソーカツ。
作者紹介
- 巻民代(まき・たみよ)
昭和五八年生まれ。平成二三年、外山一機と俳句ユニット「トヤマキ」結成