連載第2回 凪の踏み跡 鈴木 康太

凪の踏み跡
鈴木 康太

枯れていく花

絶壁に触れたがる
帰り道
ひとすじの道だけど
半分口移しの歴史
歩いているのは木々のあいだで
はみ出てきた根で
私は
少しずつ躓いていく
あなたは
シャッターを押す


私の雨

体温をコンクリートに移す
マンホールが空いていたら入学式
裏庭の木立
あなたは
シャッターを押す


海岸

名前が早退して
私はお昼をたべました
それから昼寝をしました
そこで夢をみて
起きたら
すべてが崩壊していました
オレンジの光
あなたは
シャッターを押す

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