連載第5回 涙・他四編 鈴木 康太

連載第5回
涙・他四編
鈴木 康太

部屋を
丸く
掃きながら

思い出します
思い出、します
わたしは

気づかないふりを
します、ので
こわがらないで

裂目のなかに
いろんな靴がありました
そのなかにはあなたの履いていた
靴もありました
靴には紐がついていて
私は歴史を
思い出しました
星空
積もうが
埋めようが
変わらない花束

プールサイド

春係、夏係、秋係、冬係
始発係、終点係

変化できなくなっている

でも

光りのなかの背泳ぎ
側溝のこわれた宇宙

転校生

あなたは
余分にはしゃいだりすることはしないのでした。
だから花火になっても
手を繋ぐことをやめない

丸めたティッシュを
一枚ずつ広げていくと
そこから
ちいさな粒子がひとつ
立ち上がって
おしりを見せながら
走り去っていった

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