連載第1回 ミックスオーレ ユウアイト

連載第1回 ミックスオーレ
ユウアイト

偏食を偽って
かわいいを安売りしてしまうくせに
夏野菜を見てあげる
将来はエッセイストになりたい

数字の桁数が大きすぎる気がする
MOTTETTEの型番とかさ、
なんて冗談を言いながら笑って
ミックスオーレを連打する
あなたたちが賛同すると
神妙な顔をしてみせる
出産数と
クマリデパートの話題は地雷

休日のドライヴ感
終わりは特に丁寧に仕上げたい
スキレットでお肉を焼く
電球色と水色のタイル
お湯が沸く
常備菜
思想の強い本、今日は閉じて
パースペクティブが尖っていない人が好き

ミッキーの著作権も切れて
喪失していく自覚がないわけではないんだけど
くるものがこない
わたしたちの飢えは
帰依の浮かばない仕様にかかっているのだから
せめて
必要なぶんだけ備えたい

倍速視聴のように心変わりしていく
世界と
このカラダに向けて
捨てなくてよかったでしょう、と誇らしく
シャツに袖を通してみせる日を
豊かさと勘違いしないで
貧しさと勘違いしないで

あなたたちも認めざるをえない
真っ直ぐな眼
水彩のような喝采をすり抜け

夜警

ええっと、
批評はここまで
もたもたしてると
ランドリーが競合しちゃう

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