

第11回詩歌トライアスロン三詩型融合作品連載第4回
陽だまり
横山 航路
わかってから右手をずっと挙げていて
いいよ、と言われるのを待っていたけれど
気がついたら
一面のひまわり畑で
わたしの手のひらもお日さまへ向いていた
しばらくして
わたしの番が回ってくる
もう問いも忘れてしまったけれど
どうしても答えなくてはいけなくて
とっさに
それは愛です、と返した
ずっとそう言いたかった気がした
お日さまが傾いていく
いずれ永い放課後がやってくるのに
わたしは
まだここから帰れずにいる
あたりから卒業式の匂いがする
ふるふると揺れるひまわりに囲まれて
頭ひとつぶん死へ近いわたしだった





