なりきれず   川島ひろの

  • 投稿日:2018年10月13日
  • カテゴリー:俳句

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なりきれず   川島ひろの

ポストごと郵便局の濡れて秋
早起きの自分のために林檎剥く
エプロンの紐を余らせ肌寒し
萩刈りてひとりになりて刈り尽くす
片耳を風に召さるる秋の園
荻途切れるは断崖か湖か
泣いたあと瞼色づく花芙蓉
霧深し夢に大事なものを刺す
白露のいちばん白になりきれず
秋雨が窓に古びてゆきにけり

川島ひろの(かわしま・ひろの)
1997年生まれ。狩、群青に所属。慶大俳句会に参加。 高校1年生の冬に句作を始める。

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