大宮 松本てふこ
ひなげしの茎ふはふはと棘を持ち
芥子畑に茎のみつしりあるところ
少年に体臭うすく朴の花
梅漬ける酒ちびちびとやりながら
五月雨に上越新幹線の車体
まつくらな車窓続いて薄暑かな
大宮は大きな駅や梅雨曇
トンネルを抜けて青葉の越後かな
スタジアム青田べり行き着きにけり
日帰りの旅のおはりの星涼し
執筆者紹介
松本てふこ(まつもと・てふこ)
1981年生まれ。
2000年、作句開始。2004年「童子」入会。同年「新童賞」受賞。2006年 『現代俳句精鋭選集7』(東京四季出版)に参加。2009年『新撰21』、2010年『超新撰21』(共に邑書林)に小論で参加。
現在「童子」同人。