未生 オカザキなを


未生 オカザキなを

鬼はそと、福はうちなら胎児とは鬼のわたしに隠された福

ふたつめの心臓異なる脈を打ちわたしの中の異なるひとよ

また生まれ直せていいなピノキオは鯨の腹を痛めて外へ

終わったらまぼろしみたい、花火って。あんなにまばゆく咲いていたのに

孕むとは獣に戻ることらしい私の腹毛が黒く波立つ

濃い髪を剃られて叔父が四度目の脳の手術を受ける日が来た

表面に地上が映るしゃぼん玉が小さく映るわたしの網膜

まぶたならそろそろできる頃らしい 人型ではない腹にいるひと

サラダへとオリーブオイルをふりかけてなにごともないことを祈った

今回はゆっくり滞在しなさいね泳ぎはじめた腹のなかの子

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「作品 2011年8月19日号」の記事

  

One Response to “未生 オカザキなを”


  1. かよふ
    on 6月 6th, 2012
    @

     読みました。

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