空のこと   犬星星人

  • 投稿日:2020年05月16日
  • カテゴリー:俳句

空のこと

空のこと   犬星星人

兄ほどの毛深き春の来てゐたり
五線譜を遠くはみ出し春の雷
末法ぞ亀鳴くことも真なる
母たちのこゑ滔々と春の川
酸に歯が溶かされてゆく朧かな
その椅子は父によく肖て鳥雲に
鬱金香空のことでも話さうか
牛丼特盛つゆだくで百閒忌
桜蕊降るふくらはぎふくらはぎ
春闌けて雨のやうなる男かな

犬星星人(いぬぼし せいじん)
1987年、愛媛県生まれ。蒼海会員。

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