連載第4回 残光 亜久津 歩

連載第4回
残光
亜久津 歩


はじめから汚れていたから
仕方がなかったはずなのに
あなたは足の指まで舐める
がらくたのように眠るとき
一緒に生きていきたいのに
あなたに殺してほしいと思う


一度のクリックで
ノイズを除去する
言語化しなかった言葉こそ
永遠なのか


生き存える蓄えと
俄に死ぬ備えを急ぐ十二月
数えきれないほど捨てながら
捨てることも
残されることも
いつまでも苦手なままだ

何も苦しくなくて
私の行方がわからない
それはとても幸せなことで
眠たくなってしまう

硬い手で摑んだ
ショートケーキのような日々
遠い痛みと 眩さを見誤る
確かに燃えていたのだ
確かに燃えていたのだが

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