食堂に暮らす   小川楓子

食堂に暮らす   小川楓子

王宮に来て胸白き寒烏

冬ざれのまつげの音がしてゐたり

絨毯を肩に担いで信号無視

雪もよひ市場に香水瓶ばかり

髪のまだ濡れてゐるなりコート着て

白鳥より黒鳥愛しよく眠る

朝食にごつと蜂の巣冬の海

冬かもめ出窓からパン投げていい

居眠りの指のひくりと水仙花

食堂に暮らす猫眼のウェーターと

作者紹介

  • 小川楓子(おがわ・ふうこ)

1983年、神奈川県生まれ。「海程」「舞」所属。共著に『超新撰21』。

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