ザッパ   金子鉄夫


ザッパ   金子鉄夫

まず切歯
それから不謹慎な徴と徴をむすび
繁茂してゆくザッパ
やわらかな肢体でくねるザッパ
を頭から釘打ちならべて
少し早いが
人でなしの発音のまま
中央線に乗って
錯綜する街に出て
関東の因業なボーイたちに
自らの背を傷つける方法で抱かれ
しなやかにくたばれ
皮かぶりのタマシイぃよ
むなしい痙攣の、パロディを、
ヘビーなローテーションな日だ
どうにか終電には間に合って
帰宅してからも
切歯
切歯があって
滑りやすいフローリングに戦線をつくっては
繁茂するザッパ
をふたたび釘打ちならべて
触れられずにはいられない
マル秘の火
(倫理は後からついてくる)
公共的ではないガールフレンドと
(おいしい、おいしい耳朶をもっている)
電話しているあいだにも
繁茂し切歯
切歯し繁茂するザッパ
戸外で無色に沈んだイヌの形骸が吠え
今夜も
無題なまま脈走っている僕の身体を
笑らっている
笑らっていやがる、ザッパ
ザッパが

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