焼かれていく   伊藤悠子

焼かれていく   伊藤悠子

秋が焼かれていく
冷気に焼かれていく
木の葉が赤く焼かれていく
冬が焼かれていく
十二月になっても花をつけている朝顔が焼かれていく
青かった花はいまでは赤みがかり
蕾も焼かれていく 茶色く
あしたはそれでも咲く
焼かれたまま日ごと咲く
満天星(どうだんつつじ)が焼かれていく
においもたてず
けむりもたてず
赤々と
冷気に焼かれていく
声もたてずに
この世の冷気に
焼かれていく
 
あした思いきってだれかに手紙を書きます
あさっても書きます
思い出してみます

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