海   河邉由紀恵 « 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト

海   河邉由紀恵

海   河邉由紀恵

すでにはあはあとまどろむだけの女の
やせた髪をひろげてむこうの世界をす
かしてみてもなにもないくらやみだけ
どそのおくのとおくのほうにゆれるく
らげみずいかが浮いている海がひろが
 
っているのがみえるやつれた女の髪の
すきまから海はすこしずつこちらへち
かづいてくる海がそばにくるのがいい
ことなのかどうかわからないけれどわ
たしはここで女の髪をとくしかない女
 
のほそい髪とかみのあいだをとよとよ
と海のみずがぬけてゆくぬうるいなる
いみずにゆれる女の髪とかみのあいだ
からちいさな赤い櫛がとろりぬけてし
ずんでゆく下の方へみえないけれどあ
 
あだん流の海のみずのやわらかさにさ
そわれて女の髪はたっぷりとみずをふ
くんで海の藻のようにゆれてながれる
なまあたたかい海のみずのここちよさ
女のかたやうなじちぶさうでやはらや
 
あしや女のうちまたのしづもりのあい
だをぬうるいなるい海のみずがひたし
てゆくもう女はわたしからはなれてい
るどうしようもなくとおくゆれるくら
げみずいかが浮いているむこうのほう

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