第7回詩歌トライアスロン三詩型鼎立受賞連載 夕を刷く 未補

夕を刷く           

未補

火の澄みて滴りまでの目を隠す

片耳の讃美歌に似て白夜かな

花文字の千々に乱れて蛆の影

はなうたのなかのゆうれいすべりひゆ

白で描く海をはためかせればいい

夕の谷 夕の淵まで 夕を刷く

指を堰く指にひらくやおじぎ草

盲目の花の戦ぎを遠花火

海の日のかたちに駅を編んでいる

屋上の手品に夏の巻き戻る

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