

第11回詩歌トライアスロン三詩型鼎立作品受賞連載第3回
Fooo‼
横山 航路
あんりある痙攣が火蛾のやうだよ
バナナ食むひとは腐つてからが長い
貸しきつてしまひ汗拭きシートなし
祭から見つけてくれてグーパンチ
被写体がずいとドクターフィッシュへ手
横顔をん、と傾げて夏衣
Fooo‼ 海へラブを叫ぶよサングラス
涼しくてあくびの口へポップコーン
液体のからだがプールより光る
ソフトクリーム垂れて日陰に象ほそる
バルコニー晩夏くちづけしても友
流れるプール肩に昨夜の歯形痕
秘密はじまる旅寝の秋の灯を消して
喫ひに出て星はマッチを燃えたたす
俺たちの句点のやうな月 ごめん。
読み返すメールへ秋日差す機窓
once again 花野の花を抱き殺す
桃啜る間借りの居間を転がる缶
重ね着の立ちくらむ手を置ける肩
触れられてゐるはつゆきの美容室
ホットミルクいつ死ぬかいつ決められるの
木の橋を渡れば川の涸れてゆく
膝掛を徐々に追い出されるところ
雪よ胸に仮想の猫が抱かれに来る
OK余裕、雪玉固く投げ返す