密告の楽園   堀田季何

  • 投稿日:2018年06月09日
  • カテゴリー:俳句

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密告の楽園   堀田季何

うち揚げられしうをへ夏蝶とめどなし
斑蝶斑蛾斑蝶斑
ステルス機雲に腹擦る涼しさよ
喰ひあうて人語解する金魚かな
氷水ふかく緑の楽園が
風鈴の音また一人密告さる
歴史書に前世の名前青葡萄
張りぼてを蹴つて西日に突きあたる
ミサイル来る夕焼なれば美しき
ほほゑんでプールに浮かぶ阿呆かな

堀田季何
「澤」「短歌」各同人。句集『亞剌比亞』歌集『惑亂』

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