蘭奢待   高橋比呂子

  • 投稿日:2019年02月09日
  • カテゴリー:俳句

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蘭奢待   高橋比呂子

臘梅よりもきのうのことは馬の領分
せしうむとみきもとさくらあれにしを
ゆらゆらとしらさぎとんで未遂かな
空爆ほどの橋かけてあります
青い釦の諸氏すぎて夏至
からんどりえ梟がとぶ日の阿呆
逃亡を麦の秋とおもいけり
金木にはかんなぎかなづちななかまど
馬上までしずかな海でありしかな
蘭奢待ゆきもかえりも吹雪かな

高橋比呂子(たかはし ひろこ)
俳人。青森市生まれ。
1971年頃から句作をはじめる。「十和田」「紫の会」「吟遊」「未定」を経て、現在「豈の会」「LOTUS」同人。
1996年「NHK俳句王国」出演。
2005年『風と楕円』出版記念展『風と楕円』(於・ギャラリー ガングリオンgallery ganglion)にて
抽象画と俳句のコラボレーション制作パフォーマンス。
2008年埼玉県立近代美術館主催の句会「イメージを詠む――熊谷守一の絵から」の企画協力、選者・司会担当。
現代俳句協会会員、国際俳句交流協会会員、埼玉文藝家集団会員、さいたま文藝家協会会員等。
句集:『アマラント』(フリーダム句集)『ふらくたる』『風と楕円』(抽象画とのコラボレーション)『つがるからつゆいり』
共緒:『21世紀俳句ガイダンス』『日英対訳現代俳句2001』『岡井省二の世界』『日英対訳現代俳句21世紀俳句の時空』『星月の惨劇 西川徹郎の世界』『修羅と永遠 西川徹郎論集成』等。

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