どこからとなく   大西朋

  • 投稿日:2021年11月06日
  • カテゴリー:俳句

どこからとなく

どこからとなく   大西朋

蜉蝣は映らず水面揺れてをり
芋虫の糞をするたび太りゆく
湯に浸かるやうに亀をる小六月
初雪の鳥に睫毛のあるやなし
冬晴の胸反らし合ふ鷗かな
鮟鱇にこの世の冷えの集まりぬ
どこからとなく夕暮のがうなかな
つばくらめ空にリボンをかけるごと
蜘蛛の子が散りしあとなる日照雨かな
飛んでくる鳥をつぶさに刈田道

大西朋
一九七二年大阪府生まれ。つくば市在住。宇佐美魚目、小川軽舟に師事。
二〇一六年第四回星野立子新人賞受賞。
二〇一七年第一句集『片白草』上梓。
二〇一八年第四十一回俳人協会新人賞受賞。
鷹同人、晨同人、俳人協会幹事。

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