黄金週間の時間旅行   雨谷忠彦 « 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト

黄金週間の時間旅行   雨谷忠彦

黄金週間の時間旅行   雨谷忠彦

浅草の活動小屋に親しめどつひにテレヴィを観ざりし茂吉

「お早よう」に小津の描けるTVの翳りはじめてあらずやいまは

黄金と大型と如何な呼ばはれどネットの波ぞひたひた寄する

業界用語ジャルゴン

の由緒ただしき闇に座し十二回目の祭りをはじむ

名を知らぬ映画狂シネフィル

きつとみまからむ暗くなるのを目瞑りて待つ

連休の谷間の底をあゆみゆく就活女子のひかがみ白し

ひざまづき嘗むれば苦くリカちやんのドールハウスに靴は転がる

早世を遂げしカフカは統計の生涯未婚標本たらじ

古今集撰進の日に五十の賀むかふるならむ穂村弘よ

早朝の天候ばかり気にかかるその日のための専用グラス

ドリカムの「時間旅行」にかこつけて指輪のならぶかたはらを過ぐ

五人いつたり

の一人と断じられてゐる生涯はまだをはつてゐない

作者紹介

  • 雨谷忠彦(あまがいただひこ)

1961年神奈川県川崎市生まれ 歌誌かばん所属

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「作品2012年5月18日号」の記事

  

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