夜明け   渡辺めぐみ « 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト

夜明け   渡辺めぐみ

夜明け   渡辺めぐみ

判じ絵を解かなくても
風が落ちてゆく先を見ていれば
どこへ飛んでゆけばよいかわかる
穿たれた世界に生きてきたものの
それは生きる知恵だ
そのようにして出てゆくものと
帰ってくるものが
交わる刹那に
切り刻まれるような痛みが走る
出てゆくものにも帰ってくるものにも……
いとしいことは優しいこと
優しいことは悲しいこと
悲しいことは忘れられない
だから 羽を剣にして立つ
風が落ちてゆく先に見聞きしたことは
口にしない
春と冬の間に
真理の卵を育て
じっと孵化を待つ
砦の下の死骸を見ないこと
それさえ守れば生きてゆける
折り折りに飛んでは見飛んでは見た錦の地獄絵を
脳裏に重ねるごとに声が高くなる
その不思議を夜明けがさらいにやって来る
餌食にはならない
まだ秋だ

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