水底論   生駒大祐

  • 投稿日:2018年12月08日
  • カテゴリー:俳句

haiku2

水底論   生駒大祐

葉俯く楡科のなにか冬の園
枯園を日あたる水の出入口
初冬の黄へ朽ち進む大きな葉
万両を来てはればれと水探す
溌剌と枯木を論破する枯木
水門をはしやげる水の叩く冬
混沌や同じ高さを鴨は浮き
枯園に空の張り巡らされゐし
春を待つ水その波の暗さかな
川に張る波こそ淋し冬の暮

生駒大祐子(いこま・だいすけ)
1987年三重生れ。
「天為」などを経て現在無所属。
第三回攝津幸彦記念賞、第五回芝不器男俳句新人賞。
共著に「天の川銀河発電所」など。

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