はさみ   木村リュウジ

  • 投稿日:2019年02月09日
  • カテゴリー:俳句

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はさみ   木村リュウジ

死と生の交わるところ揚雲雀
梅雨曇りはさみのように疲れている
夏草や手首にそよぐ友の傷
致死量に達するほどの夏の雲
のうぜんか大きな主語で話す癖
校歌っていつも噓つき晩夏光
桃に刃を一気に入れる変声期
青少年保護条例や林檎の芯
教室で狼を飼う羊かな
絶交のあとの身軽さ冬の浜

木村リュウジ(きむら りゅうじ)
俳人。1994年、埼玉県出身。2018年「海原」入会。現在会員。

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