スノウドロップ  石田 瑞穂

石田詩20140315

スノウドロップ  石田 瑞穂

彼女のガーターベルトの轍にそって、
静かに雪が降りしきっていた。
モンパルナス、
部屋のカーテンを透かして
届いた
音のない光の音楽
動きのないサイレントムーヴィー。
冬が隠した罪。
汗ばんだ肌で
ピンク色に咲く
氷の結晶だけが
教えてくれる、
 
見たもの
触れたもの
感じたもの
聞いたもの
味わったもの
それらはずっと消えない。
 
la petite mortが、
すべてを溶かしてしまった後でも。
 
 
              (連作詩『耳の笹舟』より)

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