すすき原   渋川京子

  • 投稿日:2012年10月19日
  • カテゴリー:俳句

すすき原   渋川京子

すすき原ぱちんと乳房閉じにけり

息づかい洩らすな花野蹤いてくる

秋の蛇腋のあまさが重さなり

こめかみが知る秋風の千の舌

穂草波出だしはスチールドラムから

黒を経てこの世の色の曼珠沙華

月光にいちばん深く濡るる死者

われを抱え川原なでしこまで来たる

稲妻を浴び身じろぎもせぬ生家

流亡の果ての野菊でありしかな

作者紹介

  • 渋川京子(しぶかわ・きょうこ)

昭和9年9月23日生まれ。現在「頂点」「面」「明」に在籍。平成9年現代俳句協会新人賞受賞。平成23年現代俳句協会賞受賞。句集『レモンの種』、共著『俳コレ』。

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