宇宙蝕 斎藤 秀雄

宇宙蝕
斎藤 秀雄

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翁ども
日に吐乳して
おでこぱしー

  ※
艶なおくり名 窓に記して
雨の奥処の 断頭ですわ

  ※
鳥の柱を 降りきし影よ
まろぶ目玉に 棲んで頂戴

  ※
殉葬や

神鳴る碗に
急須の飴湯

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てのひら沖る 夜の宇内に
胎火事の火で 蕎麦煮たきかな

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衾纏へる
オフィーリア
枕定めて
忘れ首

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遠い泉の まぼろし涸れて
鳩喰ふ鳩の 彩るひなた

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ロココの窓を 水音逃れ
疲労さいなむ とりたはけ

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天(あめ)裁ち割りし
天河石

〈かみさま〉以上の邪悪などない

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まごころや

糞戸やさしも
沸く六六魚

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