襟足   山本鬼之介

  • 投稿日:2012年11月09日
  • カテゴリー:俳句


襟足   山本鬼之介

任侠の山にたなびく夕霞

墨東や鉄砲百合がデマ飛ばす

四阿に組む脚美し夏帽子

亜麻色の髪の揺蕩ふ籐寝椅子

きなくさき元祖・本家よ青簾

炎日やむかし語りの行き斃れ

秋の蚊を払ふ女形の袂かな

江戸仕草かはす野径や魂迎へ

穂薄と背丈くらべのエトランゼ

田へ出でよ案山子祭のかかし殿

「政岡」は寺のだいこく村芝居

マンホールを出でてつくづく天高し

幽径に落つる木の実よ抜衣紋

黎明や壜に滴のあらばしり

鳥渡る赤城の雲を貫きて

十二単の切手の姫もやや寒し

行く秋ぞ銅の大師の固太り

文人的鬚たくはふる神無月

はすつぱな華僑のむすめ十三夜

本丸の遠き宴や冬櫻

作者紹介

  • 山本鬼之介(やまもと・きのすけ)

一九三八年、東京都杉並区生まれ。「水明」「面」所属、現代俳句協会会員。一九七一年六月、「水明」に入会し俳句を始める。「俳句研究」一九七三年三月号の雑詠欄で、選者・三橋敏雄氏の一位推薦を獲得し、本格的に俳句を志す。一九七四年一月、「面」の同人となる。一九七四年より一九七七年まで、「俳句研究」の五十句競作に応募し、毎回佳作二席の成績。二〇一二年八月、「面」一一四号で、誌上句集「マネキン」を発表。

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