朗読火山・俳2013 縄文の人    仲 寒蝉

  • 投稿日:2013年03月15日
  • カテゴリー:俳句

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俳句仲130315-3

朗読火山・俳2013 縄文の人    仲 寒蝉

土こねし指の間を芹の水

春浅き土偶の尻をととのふる

仕上がりし土偶いく度も撫でて春

囀りの中や土偶の乳(ち)の隆き

春の闇に塗り込めてある土偶かな

霾るや土偶の大いなる鼻に

万緑の真つ只中に置く土偶

よき土を求め青嶺を越えにけり

滴りに打たれてゐたる土偶かな

黒揚羽多し土偶を埋めし山

まだ鰭の動く若鮎土偶の脇

土偶に目刻めばどつと青嵐

秋澄むや土偶のまなこ横ひとすぢ

朝露を混ぜ埴土をこね上ぐる

白露の土偶の臍をぬらしけり

水の秋土偶の尻を洗ひやる

欠けてゐる土偶の腕へ月明り

土偶埋もれて旗すすき吾亦紅

首のなき土偶重なり合つて寒

まつすぐに土偶の臍へ寒月光

雪焼けの土偶を作る雪焼けて

降る雪の土偶の周りだけ積まず

冬眠の蛙の真上なる土偶

土偶の胸ながめてをれば春近し

ふたたび春

足をまづ春の大地に据ゑ土偶

雪解川土偶の股に発しけり

土偶の腹にて春風の向きかはる

蕗の薹出るに土偶の尻が邪魔

春光や見るともなしに土偶の目

海市消え浜に残りし土偶かな

作者紹介

  • 仲 寒蝉(なか かんせん)

「港」同人
「里」同人
第50買い角川俳句賞受賞
句集『海市郵便』(邑書林2004年)
文集『鯨の尾』(邑書林 2007年)

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