目礼   曾根毅

  • 投稿日:2017年04月15日
  • カテゴリー:俳句

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目礼   曾根毅

元遺体安置所授業参観日

一瞬の蝶の曳きたる無重力

雨音か瀬音か我か五月闇

滑莧海より遠く在りしかな

青葉闇土偶の孔と繋がれり

排水溝に亀流れ来る暑さかな

暗く暗く水面に刺さる鵜の形

箸に火の移りし二百十日かな

白菜と白菜と黒いビニール吹かれ

目礼や霞む林檎を手に受けて

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