つるや   西村麒麟

  • 投稿日:2018年09月08日
  • カテゴリー:俳句

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つるや   西村麒麟

古浴衣つるやつるやと書いてあり
一つあるパイナップルを見るばかり
遺影より淡き視線や黴の宿
籐椅子にたびたび来たる霊二人
洗ひ髪行つたり来たりする猫よ
目と耳と小さきジュゴンや夏の月
柄の硬き鯨まつりの団扇かな
ハンモックお酒を抜いてゐるところ
ほぼ見えぬ君よ線香花火持ち
迷子の子迷子のままに踊りけり

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