句のむこうに何もない   熊谷陽一

  • 投稿日:2018年11月10日
  • カテゴリー:俳句

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句のむこうに何もない   熊谷陽一

青壁に骨吊りおかば風枕かざまくら
象の足林の径に捨てる春
国に蝕ある夜を蜜柑泥棒
梟の値札さかしま四の市
馬上まで黒く旗めく空である
鳥消えてまず完璧な空となる
噴水の途絶えて逸失物係来る
吹く手の灰女は橋のように朽ち
いもうとと井戸の中途で雪に濡れ
夏野ゆくトーン・クラスターとホワイト・ノイズ

熊谷陽一(くまがい・よういち)
俳人。「LOTUS」同人。ブログ「青色のハ短調」で熊谷が熊谷を演じる物語を発信している。
覗いてみてください。

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