ブリキ   中山奈々

  • 投稿日:2019年07月13日
  • カテゴリー:俳句

ブリキ

ブリキ   中山奈々

玄関に蝶の死夏の始まりぬ
木下闇よりちよつとづつ水放つ
残党の、滴を肩に水蜜桃
蟻はまう運びゐるてふてふの他を
ブリキから戻らぬ耳よ昼寝覚
瞬きに白のつらつく芒種かな
指の間を汗疹伸びたり縮んだり
てふ濁りけり六月の重たさに
太宰忌の前歯をすり抜けて唾液
月にもある暑さ抱きて眠りけり

中山奈々(なかやま なな)
1986年5月生まれ。「百鳥」同人。ひとと飲むよりひとのいるところで呑むのが好き。
佐藤文香編著『天の川銀河発電所 Born after1968 現代俳句ガイドブック』(左右社、2017)で作品が読めるらしい。

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