安息の地   廣島佑亮

  • 投稿日:2020年01月11日
  • カテゴリー:俳句

111h

安息の地   廣島佑亮

蜩やいづれ失ふ安息の地
快楽の予兆くまなく月の町
真夜中の濁りの中をちちろ鳴く
初紅葉虚しき記憶語りけり
いまひとり静かにあれば萩の花
冬ざれの罪悪感を持ち歩く
初氷波影ゆらぐところにも
焼藷の匂ひや深き暗闇に
寒鯉の重たき水の下にゐる
雲となる煙もよかれ年の市

廣島佑亮(ひろしま ゆうすけ)
1967年三重県生まれ。愛知県在住。岸本尚毅・岩田由美に師事。「あるまだⅡ」代表。東海地区現代俳句協会青年部長。

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