灰とアマリリス   小田島渚

  • 投稿日:2020年05月16日
  • カテゴリー:俳句

灰とアマリリス

灰とアマリリス   小田島 渚

鵙の贄増え夕空の渦巻きぬ
顏のなき子らは整列冬の海
トナカイの寒夜街ごと灰となる
枯木星壁に崩るる人の影
読まれてはいけない手紙春の雪
不安なり地に蒔かれたる種子固し
竈火一つ宇宙の果てに芽吹あり
紙とペン傍らにひと粒の麦
つぎの仲間外れは誰かアマリリス
みづうみに預言たがはず蓮ひらく

小田島 渚(おだしま なぎさ)
銀漢、小熊座
仙臺俳句会(超結社句会)運営
第四四回宮城県俳句協会賞本賞
現代俳句協会会員

タグ:

      

Leave a Reply



© 2009 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト. All Rights Reserved.

This blog is powered by Wordpress