長崎行   相馬京菜

  • 投稿日:2021年02月13日
  • カテゴリー:俳句

長崎行

長崎行   相馬京菜

豚まんの湯気がはるてふ字を描き
レンタカー待合所より春の海
ちやんぽんに蒲鉾の花キヤベツの葉
永き日や船を一便遅らせて
この島の最後の椿掃きたしや
きびなごの畳まれながら光りをり
麗かにリボンのごときごぼう天
もう来ぬと灯台に言ひ受難節
春の海島の辺ことにかがやける
教会は閉鎖すずらん鳴つたとも

相馬京菜
「むじな」所属。長崎には昨春。

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