千切雲   松岡百恵

  • 投稿日:2021年02月13日
  • カテゴリー:俳句

千切雲

千切雲   松岡百恵

喰積に種々の卵の混み合へり
寒中のビルに少年吸ひ込まれ
水平を捨て水鳥の飛翔
裸木の枝より暮色濃くなりぬ
待春や匂ひの記憶辿りては
間取図のドア悉く開き二月
三月へ産み落とされし千切雲
電子音帰る場所なし涅槃西風
ご自由にお持ち下さい春の塵
羊水の代はりに夢を春の星

松岡百恵
1968年生れ、「小熊座」同人。東京都在住。

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