手を出して   斉藤志歩

  • 投稿日:2021年08月07日
  • カテゴリー:俳句

87t

手を出して   斉藤志歩

昼寝して遠くヤクルト届く音
喫茶店に生まれて死ぬる熱帯魚
卓上の団扇使つてみて戻す
手を出して頬に受けたる夕立かな 
コンビニやビールでよいか聞く電話
サンダルを踏んで受け取る出前かな
ガーベラや傘は乾いてそれを巻く
錠剤のぱちりと出づる涼しさよ
戸を隔てシャワーの歌は二番に入る
風死すやしらじら光る夜の球場

斉藤志歩
1992年生。第8回石田波郷新人賞。「砕氷船」「むじな」所属。

タグ:

      

Leave a Reply



© 2009 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト. All Rights Reserved.

This blog is powered by Wordpress