精神世界 生沼義朗


精神世界 生沼義朗

雨の朝、電車のなかで閉じた傘の突起でのツボしきりに押しぬ

梅雨ばいうとは陰気なちから、頭上よりしずかに国を征しおるらむ

あまりもの雨の強さに反対側ホームのキオスク歪んで見ゆる

吊り橋が大学正門前にあり、試されいるは智慧かモラルか

くろがねのつくえに向かいみな書ける答案こそが富国強兵

パフュームがあかるくかるく唄うの画面はなぜに青白くある

乾麺のスパゲットーニこすりつつうじゃらうじゃらと虹立つるまで

チェレンコフ光いろのネクタイいっせいにみなで締めればこの世はあおし

灰色のペンキで○を描いたらひろがる精神世界、ようこそ

比喩としての広い場所あり 呼ぶ声はその場所はたして狭くするらむ

タグ:

      
                  

「作品 2011年7月1日号」の記事

  

Leave a Reply



© 2009 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト. All Rights Reserved.

This blog is powered by Wordpress