記憶の朝  岡田ユアン

記憶の朝  岡田ユアン

いのちの太鼓をひびかせながら 
銀河に 
朝が鳴りわたる 
 
朱色のかげろうが 
はじまりまでの 
躍動を物語る 
 
むせかえる暑さで 
ぬれた髪の束が頬にへばりつき 
底知れぬ母性でいきみはじめると 
合わせるように 
地球の意識がまわりだし 
月の号令を聞いた海面が 
生命をこの地に呼びあげる 
 
律動的な一連に 
戸惑いながら 
練習してきたように 
産声をあげた

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