鳴りさうな小石 山田 牧
鳴りさうな小石を拾ふ月今宵
寝静まる街月光に耳澄ます
マネキンの家族団欒月今宵
星流るレジの使はぬ億の桁
爆音の列月光を駆け抜ける
流星の落ちたる辺り船明かり
流星や湖に数多の骨眠る
灯火親しカップの底の三日月痕
靴音の虫の闇へと消えにけり
くるぶしの冷ややか水の夢覚めて
山田 牧(やまだ ぼく)
「磁石」同人 俳人協会会員
2018年第一句集「星屑珈琲店」(第15回詩歌句協会俳句四季賞)
2021年第17回詩歌句協会随筆「1375」協会賞
2022年第二句集「青き方舟」(今秋)
季語を自分なりに捉えて。作家性を持てたら、と常々。