

Ⅰ
セルフガソリンスタンドの給
油ノズルまで、指先が、あと4
センチ、のところで、骨を探
さなければならない、あと2
センチとなるまでに、火星
用ゲーム機が埋め込まれた骨
を、
かの聖なるお
方の骨、もしくはかのやん
ごとなきお方の骨、あるいは老
犬の骨、であるだろう……
Ⅱ
あと3センチ、のところで、腫
瘍に阻まれてしまうだろう、マルウ
ェアが生んだ腫
瘍によって、伸びると同時に伸ばす腫
瘍が、これは舌だろうかいやこれは指
だろう、指が、伸び
る、
ノズルが伸びるということは
ない、伸びた指が巻きつくというだけだ、ノ
ズルを収める箱に、そのとき熱
の影は長い星に伸びるだろう……
Ⅲ
伸びる指はとっくに癒
合しているだろう、コ
ラーゲンが例の箱をつ
つむみたいに、なって、いるだろう、ノズ
ルに届くことはないだろう、指
は乙女の壁の面積を測ることができな
い、
はじめの石の乙女の、壁は、壁は、火
星のデータセット、骨のタスク、一
口の光、パターンの腫瘍、はじめの石の葉の表
面をはしる予感であるだろう……
Ⅳ
たぶんサイクリック宇宙を幾度く
りかえしても指先は届かないし骨は得られないだ
ろう、この舌のような指は乙女の一口の光にま
じる胃酸の臭いの一部であるだろう、あと5
センチという距離は存在し得ないだろ
う、これまでもこれから
も、
セルフガソリンスタンドとは多
々のタであるだろう、そうでなければ
骨、もしくはゲーム機、あるいは火
星、であるだろう……