第8回詩歌トライアスロン三詩型鼎立奨励賞連載
宝石言葉 髙田 祥聖

第8回詩歌トライアスロン三詩型鼎立奨励賞連載
宝石言葉 髙田 祥聖

正しさが少し淋しい誕生日に何が欲しいか訊かれることの
大人でも文房具とかシールとか集めてしまう呪いのように
励ましが逆光になる日もあってドリアかグラタンかもわからない
串カツは二度漬け禁止 わたしたち何度も愛を確かめたがる
さっきからずっと双子の話してあなたは何を求めているの
微笑んであなたは揺れる世界一淋しい美しいメトロノーム
生ぬるいゼリーを食べる怒りとは疲れることと知ってしまった
宝石に宝石言葉あるようにわたしはわたしの象徴となる
サバンナを見ることもなく死んでいくわたしもあなたも菊を育てて
心臓の鼓動を直に聴くような、貝だ、あなたの目蓋が開く

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