フィロソフィア 伊藤浩子
枯井戸は
月虹に陰さえ叫ぶ兄の戸よ
薄明や異世に渉る蝶はるか
日没は浪に揺蕩う幼年とや
波がしらに勃つ寂性の閾値とて
熱林の子らが掌合わす虚体かも
火を噴いて樹木も鳥も寂韻か
サントームと薔薇紅を咥えては
巡霊の異化さえ透ける影遊び
忘却の途に名を記す雨すだれ
フィロソフィア 伊藤浩子
枯井戸は
月虹に陰さえ叫ぶ兄の戸よ
薄明や異世に渉る蝶はるか
日没は浪に揺蕩う幼年とや
波がしらに勃つ寂性の閾値とて
熱林の子らが掌合わす虚体かも
火を噴いて樹木も鳥も寂韻か
サントームと薔薇紅を咥えては
巡霊の異化さえ透ける影遊び
忘却の途に名を記す雨すだれ