風か何か 石丸雄介
手のひらのかたちに葡萄受けとりぬ
さよならはためらひがちに秋の人
風の盆あぎとくちびる鼻の穴
冷やかに靴下足を包みたる
まだ青き木の実を落とす風か何か
秋雨を見るでもなく聞くでもなく
ねこじやらし話しかけたくなるかたち
亀池の亀へつたらし十一月
おい遠藤遅刻のドアの隙間風
虎落笛少女スキップして過ぎぬ
石丸雄介(いしまる ゆうすけ)
1983年広島県生まれ。
2005年より『河内野』で俳句をはじめる。
現在、日本伝統俳句協会会員。
『ホトトギス』同人。
『河内野』同人、子供欄選者。