空卵 漆拾晶
空卵を割る音もその手も無くて
まだ辿り着けずに幾夜夢祭
廢驛に電車待つひとびと睡る
四片さく眼裏に蝶迷ひこみ
曉の羽ばたきにゆれ翹搖めく
瞬けば形を變へてゆく星座
蹄秘す柩に日月歪みつつ
影患ひ鏡に葬られる子ら
事象止められぬ孖の滴れる
碧空のあなただれ溶け落ちる聲
漆拾晶(うるし・ひろあき)
1998年生まれ。2019年より句作。2020年、全国俳誌協会第3回新人賞堀田季何奨励賞。
空卵 漆拾晶
空卵を割る音もその手も無くて
まだ辿り着けずに幾夜夢祭
廢驛に電車待つひとびと睡る
四片さく眼裏に蝶迷ひこみ
曉の羽ばたきにゆれ翹搖めく
瞬けば形を變へてゆく星座
蹄秘す柩に日月歪みつつ
影患ひ鏡に葬られる子ら
事象止められぬ孖の滴れる
碧空のあなただれ溶け落ちる聲
漆拾晶(うるし・ひろあき)
1998年生まれ。2019年より句作。2020年、全国俳誌協会第3回新人賞堀田季何奨励賞。
© 2009 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト. All Rights Reserved.
This blog is powered by Wordpress