夏の家 上田信治
一と茎の百合の蕾の五つかな
水差しのかたちの水や少し減る
除湿器は加湿器よりも大きかり
用水池事務所まぢかく茂るかな
卯の花のまはりにつねに動くもの
あたらしき網戸に雨のふるふると
籐椅子の破れてゐたる記憶かな
雨ふりの歯で押して嚙むわらびもち
夏の家ワイシャツ干してゐたりけり
茄子漬に蛍光灯のとどこほる
夏の家 上田信治
一と茎の百合の蕾の五つかな
水差しのかたちの水や少し減る
除湿器は加湿器よりも大きかり
用水池事務所まぢかく茂るかな
卯の花のまはりにつねに動くもの
あたらしき網戸に雨のふるふると
籐椅子の破れてゐたる記憶かな
雨ふりの歯で押して嚙むわらびもち
夏の家ワイシャツ干してゐたりけり
茄子漬に蛍光灯のとどこほる
© 2009 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト. All Rights Reserved.
This blog is powered by Wordpress